STORY
大学生の初々しい恋愛と、常に円満とはいかない人間関係の難しさ、そして夢に向かう希望と挫折をくすっと笑えるユーモアを交えて描く『階段の先には踊り場がある』。脚本・監督を務めたのは、2018年に初の長編映画『恋愛依存症の女』で劇場デビューを果たし、同年池袋シネマ・ロサのレイトショー動員記録を樹立、2019年には凱旋アンコール上映を達成した木村聡志。
主人公・ゆっこを演じるのは、注目の新人女優・植田雅。映画『別に、友達とかじゃない』(20)で主演をつとめ、本作で長編映画主演は2度目となる。木村監督は「彼女は繊細で無色透明。と同時に何色にも変化する力強さを感じる」とその演技に注目している。先輩役には映画『うみべの女の子』(21)『シチュエーションラヴ』(21)など話題作への出演が続く俳優でモデルの平井亜門。思わせぶりでちょっぴりクセのあるキャラクターに挑んでいる。さらには、多部役には2019年度キネマ旬報新人女優賞ノミネートや映画『猫は逃げた』(22)『よだかの片想い』(22)の出演など評価が高まる手島実優、
滝役には『佐々木、イン、マイマイン』(20)の出演ほか注目を集める細川岳、港役には2019年ミスiDファイナリスト「VOCE賞」「フェアプレー賞」ダブル受賞などモデル・役者として活躍する朝木ちひろが出演する。
COMMENT
応援コメント
ジャガモンド斉藤(お笑い芸人)
人生を階段に例えたとする。
辛い時、挫折した時、私たちは階段を下っている訳ではない。上り途中の階段の踊り場にいるだけだ。気が済むまで休んだら、また上ればいい。人生の階段に下りはないのかもしれない。
この映画はそう言いながら、上り続ける私たちの背中をそっと押してくれた気がする。そして、この作品に登場する彼らの階段の踊り場は繋がっていた。
タカハシヒョウリ(ミュージシャン/作家)
僕らも、彼らも、みんな自分の人生を生きていて、それに夢中、それに精一杯、勝手なもんで、本当の他人の気持ちを思いやることなんてできない。でも、この映画の登場人物たちは、時たまほんの少し立ち止まって、ほんの少し誰かのことを考えられる。その「ほんの少し」が良いんだ。たとえ、すれちがっても。
眞嶋優(女優)
「クスッ、フフフ、、あ!すいません、盗み聞きするつもりはなかったんですが!」と、彼らの会話に遭遇したら立ち止まらずにはいられないだろう。独特な会話の世界観、されど自分の学生時代を思い起こしてしまうような共感力のあるそれぞれのキャラクター。登場人物と友達になりたいと思った映画は初めてだ。彼らは、今どこにいるのだろう。
SYO(物書き)
古今東西の映画のスタイルをぶち込み、演劇的手法も乗せ、第四の壁すら悠々と越えてくる全盛り構造。登場人物は終始さえずるが、そのほとんどは無駄話。しかしなぜか憎めないのは、この映画に無邪気さを感じるからであろう。人が人を騙さず、本音のコミュニケーションが当然のように成立する世界。現代の我々が喪失した“親愛”が、ここに在る。
久間田琳加(モデル/女優)
夢、恋愛、人間関係、大学生生活、大人になってからも日常の中で感じるそれぞれの年代の悩みが、リアルすぎるほどに描かれていて、会話劇によって彼らの日常をのぞいているような感覚になり、より身近に登場人物を感じました。
独特のキャラクターがぶつかりあうことで、時々クスッと笑ってしまう、不思議な感覚になりました。
テラシマユウカ(GANG PARADE)
この映画にはその様な多種多様な思考回路を大きな懐で受け止め、何も否定せずこのままでいいのだと肯定してくれる。
過去の出来事への捉え方も人間模様も、時間の経過と共に変わりゆくものではあるけれど、日々生きる人々のあらゆる重なり合いの一瞬一瞬を一滴たりとも零すことなく掬い上げてくる優しい物語だ。